研究紹介
温研究室は、情報化社会の基盤をなすVLSI(超大規模集積回路)の高品質化に必要不可欠なVLSIテスト技術の研究開発を行っています。VLSIテストとは、製造されたVLSI回路に機能障害の元となる製造欠陥が存在しないかを調べることです。数千万もの論理素子から構成され数GHzもの高い周波数で動作するVLSI回路に対しても数十秒以内に精確なテストを完了させなければならないため、極めて高度なVLSIテスト技術が求められています。温研究室では、世界トップレベルの革新的なVLSIテスト技術の創出を目標に、主な以下の研究テーマで研究開発を進めています。
- 電力安全性保障型テスト(Power-Safe Testing)
- 故障診断(Fault Diagnosis)
- テスト生成(Test Generation)
- テスト容易化設計(Design for Test)
- テスト圧縮(Test Compression)
- 組込み自己テスト(Built-In Self-Test)
温研究室の研究内容に関する参考資料はこちら(1・2・3)です。
研究活動
温研究室の研究開発は「VLSIテストの実問題を革新的なアプローチで解決する実用的な技術を世界に先駆けて開発する」というモットーで行われています。具体的には、まず半導体企業が直面しているまたは将来必ず行き当たる重要な技術課題を拾い上げ、それに対して問題の定式化を行います。ここでは特に、他でまだ研究されていない新しい課題を見つけることに心がけます。次に、定式化された問題を効率よく解くアルゴリズムを考案します。ここでは特に、今までにない革新的なアプローチを考え出すことに心がけます。その後、Cなどのプログラミング言語でアルゴリズムを実装し、計算機シミュレーションによる評価実験を行います。こうして得られる研究成果は特許出願の後、国内外の学術誌や専門会議で発表します。今まで発表した論文の中で、最優秀論文賞を受賞したものや国際会議の記念論文集に選ばれたものもあり、新聞で大きく報道されたこともあります。いくつかの研究成果はEDA(Electronic Design Automation)システムに実装され、多くの半導体企業のVLSI設計の現場で利用されています。また、VLSIテスト技術の基礎理論から最新の技術まで網羅した最新の専門書やVLSIの低消費電力テストに関する最初の専門書の出版を通じてVLSIテストの教育と研究に貢献しています。
配属希望者へ
温研究室では、次のような学生を求めています。
- VLSIテストに関する知識を身に付けたい人
- アルゴリズムを考え出し、プログラミング言語で実装したい人
- 実研究プロジェクトに加わり、貴重な実践的経験を積みたい人
- 英語を使って様々な国からの研究者や学生と交流したい人
- 英語での論文作成とプレゼンにうまくなりたい人
- 大学院に進学し、国際的にも通用する高度な技術者になりたい人
なお、温研究室は梶原研究室と研究グループを組んでおり、教授4名(内客員教授2名)、助教1名の集団体制で学生指導を行っています。温研究室も梶原研究室も電子情報工学科から卒論生を受け入れていますが、大学院レベルでは、温研究室も梶原研究室も情報創成工学専攻に所属しています。
温教授からメッセージは、こちらです。