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科目名: 電子マテリアル工学 (01) Electronic Materials Science
担当教員: 安田 敬 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) yasuda@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択科目 2単位
3年 後期 月曜5限目 1103講義室

授業の概要

この授業では、半導体工学・磁性体工学と相補的な関係にある種々の電子材料工学について取り扱う。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

この授業は、物理系講義の最終段階として、半導体工学および磁性体工学とともに、物性物理とその応用についての講義を行う。基礎物理学I,II、現代物理学I,II、電磁気学、電子物理を基礎とする。

授業項目 (授業計画)

(1) バンド理論と輸送方程式

(2) 太陽電池の原理(pn接合、電荷分離、I-V特性)

(3) 種々の太陽電池(Si系、無機非Si系)

(4) 種々の太陽電池(色素増感型、有機薄膜)

(5) ナノフォトニクスの基礎概念

(6) ナノフォトニクスの応用例と今後の展望

(7) 中間試験

(8) 超伝導の発見と歴史

(9) 磁気的な特異性、マイスナー効果、第一種超伝導体と第二種超伝導体

(10) 電子の運動方程式、London理論

(11) 超伝導体の熱力学と量子磁束

(12) 磁束ピンニング特性

(13) 高温超伝導体

(14) 最新の超伝導体とその応用

(15) 期末試験

授業の進め方

授業は安田と木内がそれぞれ太陽電池材料:(1)-(7)と超伝導材料:(8)-(15)について講義を行う。小テスト及びレポートを課し、それぞれ試験を行う。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

この科目は学習・教育目標の(C)「 電子工学、情報工学、コンピュータネットワーク(情報通信)の知識や技術の基礎的な素養を深め,応用に関する専門性を獲得する。」の中の「(C-1-2)物理学のより深い概念や物性について理解している。」を目的としている。具体的には

(1) 種々の太陽電池の原理と特性を理解し、その応用例について理解している

(2) 超伝導材料を理解し、その応用例について理解している

ことを達成目標とする。

成績評価の基準および評価方法

以下の内訳で採点し、その合計点により目標の達成度評価を行う。
安田:小テスト(10%)、試験(40%)、木内:小テスト及びレポート(20%)、試験(30%)

キーワード

太陽電池、色素増感、有機薄膜、超伝導、量子磁束、高温超伝導体

教科書

参考書

  • 小長井誠:「薄膜太陽電池の基礎と応用」オーム社
  • 下山淳一:「トコトンやさしい超伝導の本」B&Tブックス 日刊工業新聞社
  • 松下照男:「超伝導応用の基礎」米田出版
  • 村上雅人:「高温超伝導の材料科学-応用への礎として-」内田老鶴圃

備考


科目名: 電子情報セミナー II (01) Seminars of Computer Science and Electronics II
担当教員: 川原 憲治 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) kawahara@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 必修科目 1単位
3年 後期 火曜3限目 1103講義室

授業の概要

受講者5-6名で1グループを形成し、電子情報工学科に所属する教育職員の指導のもと、1ヶ月間のグループ学習(Project Based Learning, PBL)を実施する。各グループは「エレクトロニクス講座」「コンピュータ・LSI講座」「ネットワーク・システム講座」の各々の講座に所属する任意の1名の教育職員のもとに配属され、計3回のグループ学習を受講する。各教育職員が実施するグループ学習のテーマ・概要、グループ編成・配属方法などについては、初回のオリエンテーションにおいて説明する。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

「電子情報工学実験I,II」「電子情報セミナーI」に続く内容で、グループ単位で与えられた問題に対する調査、解決、プレゼンテーションを行うことで、医学部における臨床実習のように各講座の教育目標を積極的に体得することを目的とする。

授業項目 (授業計画)

  • オリエンテーション(講義内容説明、テーマ紹介、グループ編成)
  • round 1(10月中旬-11月上旬):1巡目のグループ学習
  • round 2(11月中旬-12月中旬):2巡目のグループ学習
  • round 3(12月下旬- 1月下旬):3巡目のグループ学習

授業の進め方

各roundの初日に指導教育職員から実施テーマとその概要の説明があり、それを受けてグループ構成員は、役割分担、問題調査、実験・演習・作業、資料作成を行い、各roundの最終日に成果報告のプレゼンテーションを行う。各グループは、最低週に一度グループ学習の進捗状況を担当教官に報告するものとする。なお、中間報告や成果報告の日程などは各指導教育職員の指示を仰ぐこと。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

この講義は、電子情報工学科の目標(E)に掲げられている「制約条件の下に計画を立てて継続的に学習し、結果をまとめあげる能力を養う」ために、提示される実施テーマの解決方法について調査させるとともに解決にむけて主体的に行動させ、目標(F)の「論理的な記述力、口頭発表力、対話力などのコミュニケーション能力をつける」ために、中間報告やプレゼンテーションを通して実施テーマの内容を理解させることを目指す。具体的には以下の達成目標を掲げる。

(1) テーマの解釈、一ヶ月間にわたる実施計画を適切に行う。

(2) 解決のための調査力、既習技術の適用力を身につける。

(3) 継続的に実施し、教員への報告を行う。

(4) グループにおける役割を意識して、連携をとって活動する。

(5) 報告・発表資料において図表を用いた表現力を身につける。

(6) 成果報告・質疑応答を適切に行う。

成績評価の基準および評価方法

中間報告や成果報告を通して達成目標の各項目を15%の比重で評価する。また、3回のグループ学習全てを受講することを義務づけ、その総評で10%を評価する。

キーワード

グループ学習、PBL(Project Based Learning)、プレゼンテーション

教科書

参考書

備考


科目名: コンピュータグラフィックスE (01) Computer Graphics E
担当教員: 乃万 司 (大学院情報工学研究院知能情報工学研究系) noma@ai.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択科目 2単位
3年 後期 月曜2限目 2101講義室

授業の概要

コンピュータグラフィックスの基本概念および要素技術について講義する。各種情報メディア中でのコンピュータグラフィックスの役割と、他のメディアとの統合法(マルチメディア表現)、さらに画像処理等との関連についても扱う。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

コンピュータグラフィックスの基礎を理解させることを目的とする。1,2年次の「解析I」、「線形代数I」、「プログラミング」、「データ構造とアルゴリズム」、「プログラム設計」等の科目の履修を前提とする。また、「パターン理解」および「コンピュータビジョンA」をあわせて受講することをすすめる。

授業項目 (授業計画)

(1) 各種情報メディアの特徴、CGの歴史、ラスターグラフィックスの原理

(2) OpenGL入門

(3) 2次元・3次元変換

(4) 投影

(5) ビューイングパイプライン

(6) 階層モデル

(7) 入力と対話

(8) 隠面消去

(9) シェーディングと影付け

(10) 大域照明モデルとマッピング

(11) モデリング

(12) 曲線と曲面

(13) アニメーション

(14) これからのCG

(15) 期末試験

授業の進め方

講義を中心とするが、内容の理解を深めさせるため、適宜プログラミングの演習課題を与え、レポートとして提出させる。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

この授業は、知能情報工学科の学習・教育目標(B)に掲げられている「人と計算機が協調する新しい知的情報処理のメカニズムの開発に従事する」ために、学習・教育目標(B-3)の一部として、「知的情報処理におけるメディア技術の基礎を理解する」ことを目標にする。具体的には以下の3項目を達成目標とする。

(1) コンピュータグラフィックスの基礎概念を理解する

(2) コンピュータグラフィックスの数学的基礎を理解し、必要な計算を実行できる

(3) OpenGLなどを用いてグラフィックスプログラムを作成でき、基礎概念と言語の実装の関係を理解する

成績評価の基準および評価方法

上記に掲げた達成目標のうち、(1)および(2)に関しては、期末試験により評価する(50%)。(3)に関しては、レポートにより評価する(50%)。原則として再試験は行わない。

キーワード

コンピュータグラフィックス、座標変換、投影、隠面処理、レンダリング、モデリング、曲面、曲線、コンピュータアニメーション、OpenGL

教科書

以下の教科書を使用する他、必要に応じてプリントを配布する。

  • コンピュータグラフィックス編集委員会(編): コンピュータグラフィックス, 画像情報教育振興協会

参考書

  • 千葉、土井: 3次元CGの基礎と応用、サイエンス社
  • エンジェル: OpenGL入門, ピアソン・エデュケーション
  • Woo, et al: OpenGL Programming Guide, Addison-Wesley
  • Foley, et al: Computer Graphics, Addison-Wesley
  • Hearn, Baker: Computer Graphics, Prentice-Hall
  • Rogers: Procedural Elements for Computer Graphics, McGraw-Hill

備考


科目名: 電子回路 II E (01) Electronic Circuits IIE
担当教員: 甲木 昭彦 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) katsuki@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択必修科目 2単位
3年 後期 木曜3限目 1202講義室

授業の概要

電子回路のうち、大振幅動作回路を扱う。小信号動作回路については線形化近似できるので、重ね合わせの理を用いて直流バイアス信号と交流信号成分とに分け、後者を小信号等価回路により周波数領域で解析できた。これに対して、本講義で取り上げる回路では、大振幅動作により非線形性が顕著になることから、波形を基に時間領域で解析を行う。また電力を扱う回路では、信号処理回路とは異なり、電力損による発熱が重要な問題となるため、放熱設計等についても学ばせる。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

「電子回路IE」で履修した内容の理解を前提とする。

授業項目 (授業計画)

(1) LC発振回路

(2) 水晶発振回路

(3) RC発振回路

(4) A級電力増幅回路

(5) B級電力増幅回路

(6) C級電力増幅回路

(7) トランジスタのスイッチ動作

(8) ダイオードのスイッチ動作

(9) 積分回路等の波形変換回路

(10) シュミットトリガ回路等の波形操作回路

(11) 期末試験

授業の進め方

上記の項目に関する講義のほか、計算問題等を適宜レポートとして課す。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

この授業は、次のことを達成目標とする。
(1)電子情報工学科の学習・教育目標(C-1)を達成するため、「電子回路IE」で習得した増幅回路の知識を更に深め、新しい概念を必要とする大振幅、非線形回路を理解する
(2)大振幅、非線形の基礎的概念を理解する
(3)発振器の学習を通じて小信号増幅器の応用を理解する

成績評価の基準および評価方法

達成目標に掲げた目標の達成度について、(1)については、演習課題に対するレポートの内容により評価する(30%)。(2)および(3)については、期末試験により各目標の達成度を総合的に評価する(70%)。これらの合計を100点満点に換算して評価する。必要に応じて再試験を行う場合がある。その場合、再試験の成績は75点満点で評価する。

キーワード

電子回路,ダイオード,トランジスタ,大振幅動作,スイッチ動作,波形変換回路,波形操作回路,パルス発生回路

教科書

  • 押山保常、相川孝作、辻井重男、久保田一:改訂電子回路(コロナ社)

参考書

  • 原田耕介、二宮 保、中野忠夫:基礎電子回路(コロナ社)
  • 小柴典居:パルス・ディジタル回路(第2版)(オーム社)
  • 田丸啓吉:パルス・ディジタル回路(昭晃堂)
  • T. F. Bogard, Jr., J. S. Beasley, and G.Rico: Electronic Devices and Circuits (6th ed.) (Prentice Hall)

備考


科目名: LSI設計 (01) 
担当教員: 中村 和之 (マイクロ化総合技術センター) nakamura@cms.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択必修科目 2単位
3年 後期 月曜3限目 1301講義室

授業の概要

大規模集積回路(LSI)技術は、IT技術の中核をなす基幹技術となっており、今日、我々の周りにある機器、全てに応用されているといっても過言ではない。微細加工技術の進展により、設計ルールは、数十ナノメータにまで縮小し、10億を越えるトランジスタが、1チップ上に集積化可能となっている。本講義では、LSI設計の基本となる、トランジスタレベルでのアナログ設計と、ハードウエア記述言語(HDL)によるデジタル設計の2つの設計手法を学習し、さらに、それぞれの演習課題を通して、実践的なLSI設計技術を体得させる。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

デジタル回路、アナログ回路の基礎として、「論理設計」、「電子回路IE」、「集積回路工学」の科目を履修していることが好ましい。

授業項目 (授業計画)

(1) MOSトランジスタとCMOS回路の基本動作

(2) 回路シミュレータSPICEによるアナログ回路設計と演習

(3) 大規模LSIの設計法とハードウエア記述言語(HDL)

(4) Verilog-HDLによる8bitマイクロプロセッサの設計及び演習

(5) 期末試験

授業の進め方

講義では、SPICEによる回路設計と、Verilog-HDLによる論理回路設計の方法を教授し、理解を深めるためにほぼ毎回、講義内容に関する小テストを行う。演習では、実際にLSI設計用ツールを利用して、各自の設計結果を各シミュレータにより動作させることで、デバッグや動作確認を行う。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

この講義は、電子情報工学科の目標(C):「電子工学の知識や技術の基礎的な素養を深め,応用に関する専門性を獲得する」を達成し、今日のコンピュータシステム実現に不可欠となっているLSI技術に関して、最先端のLSI設計技術についての理解を深め、その専門性を深めるために、次のことを目標とする。

(1) 回路シミュレータの利用方法を習得する
(2) トランジスタレベルでのアナログ回路の設計法を習得する
(3) 論理シミュレータ・論理合成ツールの利用法を習得する
(4) マイクロプロセッサの設計演習を通じて、LSIの設計法を十分に理解する。

成績評価の基準および評価方法

(1)(3)については、小レポートと期末試験により評価(40%)し、(2)(4) についてはそれぞれの演習課題に対するレポート(30%+30%)により評価する。

キーワード

集積回路、CMOS、LSI設計、システムLSI、SPICE、Verilog、HDL、CPU、マイクロプロセッサ

教科書

講義時に資料を配付する。

参考書

  • 「VLSI工学 -基礎・設計編-」岩田穆、コロナ社
  • 「CMOS集積回路 —入門から実用まで—」榎本忠儀、培風館
  • 「入門Verilog-HDL記述」小林優、CQ出版社

備考


科目名: 磁性体工学 (01) Magnetism – Physics and Engineering
担当教員: 大越 正敏 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) okoshi@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択科目 2単位
3年 後期 金曜2限目 1203講義室

授業の概要

本講義では多くの物質に共通する常磁性、強磁性や反磁性の基礎から出発する。次に磁気の測定原理や磁気共鳴、磁気と光、超伝導との関連性について応用への基礎として講義計画諸項目を理解させるため、演習も含めて講義を行う。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

情報処理のなかで記録、記憶等に重要な役割を果たす磁気現象について基礎概念を体系的に学ぶ。物質の磁気的性質は古くて新しい研究対象であり、その基礎となる学問分野は急速に進展をしている。本講義は特に基礎に重点をおき、原子磁石から磁区を含めた自発磁化と技術磁化が一通り筋が通って理解出来るように配慮する。電磁気学の予備知識と、固体物理、量子力学の入門程度の基礎知識が望ましい。

授業項目 (授業計画)

(1) 静磁気現象 (磁界と磁化)、磁気測定

(2) 原子の磁気モーメント、結晶場、交換相互作用、分子磁界

(3) 結晶構造と磁気物性、種々の磁性、中性子回折、磁気光学効果

(4) 常磁性共鳴、強磁性共鳴、核磁気共鳴、演習

(5) 磁気工学の応用、演習

授業の進め方

上記の項目に関する講義のほかに適宜トピックスも含めた例題を出し、演習・宿題として与え、小テストを行う。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

当学科が掲げる「学習・教育目標」
(B) 自然科学に対する理解を深め,情報科学,数学,物理学等の基礎学力を育成する
(C) 電子工学の知識や技術の基礎的な素養を深め、応用に関する専門性を獲得する。
を達成するため、具体的には、以下の項目をこの授業の達成目標とする。
磁気現象について基礎概念を体系的に学ぶ。
原子磁石から磁区を含めた自発磁化と技術磁化を理解する。
磁気の測定原理や磁気共鳴、磁気と光、超伝導との関連性について応用への基礎を理解する.

成績評価の基準および評価方法

期末試験80%,リポートの成績20%により評価する。再試験は行わない。

キーワード

磁界、磁化、磁気モーメント、反磁界、磁気測定、反磁性、常磁性、強磁性、
交換相互作用、結晶構造、電流磁気効果、磁気光学効果、メモリ

教科書

太田恵造: 磁気工学の基礎I, II (共立出版)

参考書

  • 近角聡信: 強磁性体の物理 (裳華房)

備考


科目名: 通信理論 (01) Communication Theory
担当教員: 尾知 博 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) ochi@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択必修科目 2単位
3年 後期 水曜3限目 2102講義室

授業の概要

本科目は,携帯電話や無線LAN、地上波ディジタル放送およびRF-ICタグなどのディジタル通信放送システムの設計に関して必要な諸技術について講義する。具体的には、ディジタルデータの帯域制限とディジタル変調および多重化技術について取り扱う。また、移動体通信で生じる周波数選択性フェージングに耐性のあるOFDM変調方式など最新の通信技術についても学習する。授業は、講義を中心にScilabによる計算機演習を取り入れながら進める。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

通信理論を学ぶためには、ディジタル信号処理を予め履修しておくことが望ましい。

授業項目 (授業計画)

(1)  ワイヤレス通信システムのケーススタディ

(2)  ディジタル信号処理の復習 (畳み込みとフーリエ変換)

(3) ディジタルデータの帯域制限I (ナイキスト基準)

(4) ディジタルデータの帯域制限II (ロールオフフィルタ)

(5) Scilab演習

(6) 線形ディジタル変調I (情報伝送速度と周波数利用効率、BPSK)

(7) 線形ディジタル変調II (BPSK・QPSK・QAM)

(8) 中間試験  

(9) OFDM変復調

(10) 周波数選択性フェージングとOFDM変復調

(11) 多重化技術(TDMA,FDMA,CDMA)

(12) Scilab演習

(13) 畳込み符号化

(14) ビタビ誤り訂正回路

(15) 期末試験

授業の進め方

毎回の授業でクイズを行い、理解の確認をする。また、宿題を毎週課して理解を深める。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

当学科の学習・教育目標のうち、教育目標(C)に掲げられている「電子工学、情報工学、コンピュータネットワーク(情報通信)の知識や技術の基礎的な素養を深め,応用に関する専門性を獲得する」ために、有線・無線による通信方式の基礎理論や方法を理解する能力を養うことを目標とする。
具体的には以下の項目を達成目標とする。
(1) ディジタルデータの帯域制限方法や変調方法、多重化技術および誤り訂正技術を理解する。
(2) フェージング対策技術(等化、OFDM変調)を理解し、今後利用が増大する移動体通信方式の基礎を理解する。
(3) 計算機シミュレーションを通して基礎理論をシステム設計に応用できるようにする。


さらに、Matlabによる計算機演習を実施することにより、目標F「問題に対して自主的に解決できる方法を探り解決したり、さらに問題を発見する能力を養う」を達成する。

成績評価の基準および評価方法

クイズ+宿題(計算機演習)20%+中間試験40%+期末試験40%=100点満点

キーワード

ディジタル変調、OFDM、誤り訂正、携帯電話、ADSL、無線LAN,地上デジタル放送

教科書

コピーを配布。

参考書

備考

オフィスアワー;毎週木曜 16から17時


科目名: ネットワークセキュリティ (01) Network Security
担当教員: 荒木 俊輔 (大学院情報工学研究院情報創成工学研究系) araki@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択科目 2単位
3年 後期 水曜4限目 1301講義室

授業の概要

ネットワークセキュリティは、コンピュータネットワーク上における情報の安全確保の手段であり、情報化社会において必要不可欠な技術の一つである。
本授業では、ネットワークセキュリティの基礎技術である暗号技術や認証技術、その応用であるセキュアプロトコルについて講義を行う。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

計算機通信基礎、ネットワークアーキテクチャに続いて、コンピュータネットワークを支える技術を学ぶ。整数論の基礎知識を使うんで、離散数学の履修が望ましい。

授業項目 (授業計画)

(1) 導入講義

(2) 共通鍵暗号

(3) 公開鍵暗号の基礎

(4) 公開鍵暗号

(5) ディジタル署名

(6) ハッシュ

(7) 認証とPKI

(8) 電子メールのセキュリティ

(9) IPセキュリティ

(10) Webセキュリティ

(11) LANにおけるセキュリティ

(12) ファイアウォール

(13) IDS

(14) 情報セキュリティマネジメント

(15) 期末試験

授業の進め方

講義を中心として行い、適宜演習を行う。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

コンピュータネットワークを支えている基礎的なセキュリティ技術を理解し、一般的に利用されているセキュアプロトコルを習得する。
これにより、コンピュータネットワークの理論や方法、実践的な応用例について理解している。(学習・教育目標(C-3-2))

具体的には次の項目を達成目標とする。

(1) 秘密鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の使い分けを説明できる。

(2) 一般的な認証プロトコルについて説明できる。

(3) ネットワークにおける固有のセキュリティについて列挙できる。

成績評価の基準および評価方法

上記の達成項目(1)から(3)については、期末試験(70%)、演習・小テスト(30%)で達成度を評価する。

キーワード

暗号技術、認証、ネットワークセキュリティ

教科書

講義開始時に通知する。

参考書

講義の最初の時間に紹介する。

備考


科目名: デジタルコンテンツ (01) Digital Contents
担当教員: 黒崎 正行 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) kurosaki@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択科目 2単位
3年 後期 火曜2限目 1103講義室

授業の概要

デジタルコンテンツは、デジタルカメラ、デジタルオーディオ、DVD、携帯電話などに広く利用されており、マルチメディア時代の基盤技術として必要不可欠となってきている。本講義では、高度なデジタル信号処理システムおよび音声圧縮や画像圧縮などについて学んでいく。具体的には、確率過程を用いた信号処理、フィルタバングを用いた音響信号圧縮技術(MP3など)、JPEG、JPEG 2000、MPEGに代表される画像圧縮方式について学んでいく。

講義は、理論展開だけに留まらず、Scilabを用いた計算機シミュレーションも行い、具体的にシステム設計の手法が理解できるように授業を進めていく。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

デジタルコンテンツを学ぶためには、線形代数、確率論、デジタル信号処理を予め学習しておく必要がある。

授業項目 (授業計画)

(1) デジタル信号処理の基礎理論(LTIシステム、フーリエ変換、サンプリング定理)

(2) 確率変数、確率密度、確率分布、平均と中心極限定理

(3) Scilab演習(確率変数、中心極限定理)

(4) 確率変数から確率過程、相関とパワースペクトル

(5) 音声圧縮

(6) 雑音除去とブラインド音源分離

(7) Scilab演習2(ノイズキャンセラ・ICA・ADPCM)

(8) 多次元信号処理と直交変換

(9) 画像処理の基礎

(10) レート変換とポリフェーズ分解

(11) サブバンド符号化とMP3の原理

(12) 離散コサイン変換DCTとJPEG・MPEGの原理

(13) Wavelet変換とJPEG 2000

(14) Scilab演習3(メディア信号処理)

(15) 期末試験

授業の進め方

講義と併行して、例題演習、Scilab演習行う。また、講義毎に出席調査を兼ねたクイズを行い理解の確認を行う。さらに、レポートも課す。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

この授業は学習・教育目標(C-3-1)に掲げられている「有線や無線による通信の基礎理論や方法について理解している。」のために、有線や無線で伝送されている信号について、確率過程を用いた信号処理や音声処理だけでなく、MP3やJPEG/MPEGなどのマルチメディアデータの生成原理を理解し、有線や無線による通信を行う上で必要となるものの見方、および論理的思考を養うことを目標とする。

具体的には以下の項目を目標とする。

(1) 確率過程を用いた信号処理を理解する。

(2) 音声信号処理の基礎概念を理解する。

(3) メディア信号処理を理解する。

(4) メディア信号処理の問題を自主的に解決する。

成績評価の基準および評価方法

上記に掲げる具体的な目標 のうち(4)については、演習課題に対するレポートの内容により評価する(30%)、達成目標(1)(2)(3)については,宿題による評価(10%)とともに期末試験により各目標の達成度を総合的に評価する(60%)。

キーワード

デジタルコンテンツ、雑音除去、ブラインド音源分離、MP3、MPEG、JPEG

教科書

配布資料

参考書

尾知、「シミュレーションで学ぶディジタル信号処理」CQ出版

備考



科目名: 生体情報システムE (01) Biological Information System E
担当教員: 立野 勝巳 (生命体工学研究科脳情報専攻) tateno@brain.kyutech.ac.jp
情報科目 選択科目 2単位
3年 後期 集中講義等

授業の概要

脳の神経回路網を構成するニューロンの基本的性質や信号伝達の仕組みについてまず講義する。次に、これらの仕組みが動物の運動制御にどのように使われているか、脊髄反射や小脳の神経回路を例に取って講義する。また、感覚系の情報処理について講義する。最後に、学習や記憶の神経機構について講義する。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

現在、脳は、医学や薬理学の分野に留まらず、広く理工学の分野でも研究されており、特に、情報科学としての脳の研究は現代のトピックスの一つである。本講義の内容はその入門編であり、大学院で学ぶ脳の情報処理機能を理解するための基礎となる。特に前提とする科目は無い。学部の教養課程レベルの知識があれば十分理解できるように配慮した講義を行う。

授業項目 (授業計画)

(1) 神経生理学入門:静止膜電位

(2) 神経生理学入門:活動電位

(3) 神経生理学入門:シナプス電位

(4) 神経生理学入門:Hodgkin-Huxleyモデル

(5) 神経系におけるシグナリングと運動制御:伸張反射、感覚受容器、筋紡錘

(6) 神経系におけるシグナリングと運動制御:小脳の神経回路、小脳の運動制御

(7) 感覚情報処理:視覚

(8) 感覚情報処理:味覚

(9) 感覚情報処理:嗅覚

(10) 感覚情報処理:聴覚

(11) 感覚情報処理:体性感覚

(12) 学習と記憶:テタヌス刺激後増強

(13) 学習と記憶:海馬におけるシナプス伝達効率の長期増強

(14) 学習と記憶:海馬の学習と空間認知

授業の進め方

パワーポイントを用い、上記の授業項目に従って講義する。下記の教科書以外に、パワーポイントのスライドのコピーを資料として配布する。集中講義であるので、講義を主とし、適宜質疑応答の時間を設ける。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

この授業は、電子情報工学科の目標(C)に掲げられている「電子工学、情報工学、コンピュータネットワーク(情報通信)の知識や技術の基礎的な素養を深め,応用に関する専門性を獲得する」のために、脳の基本的な情報処理機構を理解することを目標とする。

具体的には次の事項を達成目標とする。

(1) 脳の情報処理機構に関して基礎的な知識を習得する。

(2) センサ、ニューロン、筋および小脳から成る脳の運動制御系の仕組みを理解する。

(3) 動物の感覚情報処理の仕組みを理解する。

(4) 脳の学習・記憶の基本機構を理解する。

成績評価の基準および評価方法

(1)(2)(3)(4)について、授業の内容をまとめたレポートにより評価する(100%)。レポートは次の点に関して評価する。a. 授業の内容を正しく理解しているか(40%)、b. 講義の内容について必要十分な内容のレポートであるか(30%)、c. 論理的にかつ分かりやすく書いているか(30%)。また、欠席の回数に応じて減点する。

キーワード

脳、ニューロン、膜電位、シナプス、活動電位、Hodgkin-Huxleyモデル、伸張反射、感覚受容器、小脳、運動制御と学習、神経回路、視覚、味覚、嗅覚、聴覚、体性感覚、海馬、シナプス伝達効率の長期増強、空間認知と学習

教科書

林初男:神経システムの非線形現象(コロナ社)

参考書

  • 林 初男: 脳とカオス(裳華房)
  • 安井湘三: 感覚情報処理(コロナ社)
  • J.G. Nicholls, B.G. Wallace, P.A. Fuchs, and A.R. Martin: From Neuron to Brain (4th Edition) (Sinauer Associates)
  • E.R. Kandel, J.H. Schwartz, and T.M. Jessell: Principles of Neural Science (4th Edition) (McGraw-Hill)
  • 小林春雄、熊谷鴻之助、畠中 寛: 神経情報生物学入門(オーム社)
  • G. M. Shepherd: Neurobiology (Oxford University Press)

備考