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教授
尾知 博

ディジタル信号処理、ディジタル通信

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研究紹介

MIMO -Multiple-Input Multiple-Output-

MIMOとは
図1:MIMO技術を用いた送受信機の構成例

図1:MIMO技術を用いた送受信機の構成例


MIMO技術とは、無線通信において、送信機と受信機に複数のアンテナを配置し、送受信機間で複数の空間チャネル(伝送路)を形成することで、従来の単一アンテナ(SISO:Single Input Single Output)システムと比較して、限られた周波数帯域で伝送速度と伝送品質を大幅に改善可能とすることができる技術である。
上図が、MIMO技術を用いた送受信機の構成例である。
MIMOについて
MIMO技術には、複数のアンテナから同一の情報を複数のアンテナを介して同時に送信するSTC(Space Time Coding)方式と、複数のアンテナから独立の情報を送信するSDM(Space Division Multiplexing)方式に大別される。
STC(Space Time Coding)方式を用いることにより、通信品質・精度の大幅な改善が可能となる。
一方、SDM(Space Division Multiplexing)方式を用いると、伝送容量・速度が大幅に改善される。
MIMOの現状
MIMO技術は、次世代無線LAN規格IEEE802.11nへの採用が予定されている。
尚、MIMO対応のIEEE802.11g規格の無線LANルータ、カードも開発されている。

ディジタルシネマ画像伝送システムの研究開発

 現在、次世代ブロードバンドワイヤレス通信インフラとして注目されているメッシュネットワークを利用する将来のユビキタス社会においては、ハイビジョン画像(現状のMPEG2だけでなく次世代ディジタルシネマ規格JPEG2000も含めて)の伝送・配信が、ホームシアタ、TV会議、医療機関などで場所と時間を問わず自由に利用できることが望まれています。しかしながら、現状のワイヤレス通信インフラ(携帯電話網は言うに及ばす比較的高速な無線LANも含めて)では、600Mbps以上の伝送レートを必要とするディジタルシネマのワイヤレス伝送は技術的に困難であります。
最終的な目標

図1) 最終的な目標

 「家庭でも手軽に映画館を。」を目標(図1参照)に、本研究では、知的クラスタ第Ⅱ期のサポートをうけ、ワイヤレス・メッシュネットワークでの配信に適したディジタルシネマ動画像ワイヤレス伝送システムの開発を行なっています。開発しているシステムは、最高で1.5Gbpsもの伝送レートを有する世界最高速MIMO無線LANシステムです。我々の研究室では、LSI設計やディジタルシネマのセキュリティ伝送技術の研究開発を行っています。

その他の研究

A Study of Digital Terrestrial Television Broadcasting
地上デジタルテレビジョン放送 移動体受信に関する研究 など