研究紹介
LSIテストの高信頼化・コスト削減に関する研究
携帯電話、車、テレビなどは、現代の生活においての必要不可欠と言えるほど多くの皆様によって利用されています。これらの製品は、数十年前に比べて飛躍的に機能・性能が向上しました。この要因の一つには、内蔵されているLSIと呼ばれる集積回路の多機能化・高性能化があります。LSIの製造技術の進歩により、現代のLSIは非常に小さく複雑で高速な計算が可能になりました。しかし、LSIが製造された後、故障がないかどうか、所望の機能・速度で動作するかどうかを正確にチェックすることは非常に難しくなります。特に車、航空機、医療機器など人命に直接関わる製品に使用されるLSIに対しては、高い信頼性が要求されます。このチェックがLSIの『テスト』です。LSIのテストは、図のように製造されたLSIにテストパターンを呼ばれる入力パターンを印加して得られる出力応答と、シミュレーションで求めた期待値を比較し、故障の有無を調べます。このテストパターンは、LSIテストの信頼性とテストに要するコストに大きく関わっており、どのようなテストパターンを生成するかが非常に重要になります。研究室では、LSIテストの信頼性向上、コスト削減を行なうことが可能なテストパターンの生成手法を中心に研究しています。

図) LSIのテスト