研究紹介
インテグラルイメージングによる3D映像の復元
2010年は3D元年とも呼ばれる年でしたが,3Dテレビはそれほど普及しませんでした.その理由にはいくつかあると思いますが,もっとも大きな理由は専用のメガネを着用する手間にありました.そのメガネは左目と右目で見える映像を切り替え,普段我々が見ているような映像を再現するために必要なものでした.近年ではそのメガネを必要としない裸眼立体視に関する研究が行われており,当研究室のテーマであるインテグラルイメージングもその技術の一つです.
インテグラルイメージングはレンズアレイとカメラ,そして液晶表示器で構成される非常にシンプルなシステムであるため,その応用性についても大変期待されています.そこで私たちの研究室ではインテグラルイメージングにおける3D映像(再構成画像)の高画質化に関する研究や,その応用として撮影した物体の大きさや奥行きを知るための3D復元技術,草木などの遮蔽物のさらに奥にある物体を認識するための遮蔽物除去技術,さらには霧あるいは超低照度といった視界不良の環境でも撮影可能なシステムの開発など,非常に多岐にわたる研究に取り組んでいます.そのため,当研究室は理論的なシミュレーションだけにとどまらず,装置の開発,システムの設計なども行うため,ソフトウェアとハードウェアの技術をバランスよく身につけることができます.また,海外の大学との技術交流も活発で,留学や論文の海外発表などにも挑戦することができます.
発表論文・著書・知的所有権など
- Min-Chul Lee, Kotaro Inoue, and Myungjin Cho: Three-Dimensional Automatic Target Recognition System Based on Optical Integral Imaging Reconstruction, Journal of information and communication convergence engineering., Vol.14, No.1, pp.51-56(2016.3)
- Min-Chul Lee, Kotaro Inoue, and Myungjin Cho: Improved 3D Resolution Analysis of N-Ocular Imaging Systems with the Defocusing Effect of an Imaging Lens, Journal of information and communication convergence engineering., Vol.13, No.4, pp.270-274(2015)