デジタルコンテンツ (黒崎 正行)
科目名: デジタルコンテンツ (01) Digital Contents
担当教員: 黒崎 正行 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) kurosaki@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択科目 2単位
3年 後期 火曜2限目 1103講義室
授業の概要
デジタルコンテンツは、デジタルカメラ、デジタルオーディオ、DVD、携帯電話などに広く利用されており、マルチメディア時代の基盤技術として必要不可欠となってきている。本講義では、高度なデジタル信号処理システムおよび音声圧縮や画像圧縮などについて学んでいく。具体的には、確率過程を用いた信号処理、フィルタバングを用いた音響信号圧縮技術(MP3など)、JPEG、JPEG 2000、MPEGに代表される画像圧縮方式について学んでいく。
講義は、理論展開だけに留まらず、Scilabを用いた計算機シミュレーションも行い、具体的にシステム設計の手法が理解できるように授業を進めていく。
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
デジタルコンテンツを学ぶためには、線形代数、確率論、デジタル信号処理を予め学習しておく必要がある。
授業項目 (授業計画)
- (1) デジタル信号処理の基礎理論(LTIシステム、フーリエ変換、サンプリング定理)
- (2) 確率変数、確率密度、確率分布、平均と中心極限定理
- (3) Scilab演習(確率変数、中心極限定理)
- (4) 確率変数から確率過程、相関とパワースペクトル
- (5) 音声圧縮
- (6) 雑音除去とブラインド音源分離
- (7) Scilab演習2(ノイズキャンセラ・ICA・ADPCM)
- (8) 多次元信号処理と直交変換
- (9) 画像処理の基礎
- (10) レート変換とポリフェーズ分解
- (11) サブバンド符号化とMP3の原理
- (12) 離散コサイン変換DCTとJPEG・MPEGの原理
- (13) Wavelet変換とJPEG 2000
- (14) Scilab演習3(メディア信号処理)
- (15) 期末試験
- (2) 確率変数、確率密度、確率分布、平均と中心極限定理
授業の進め方
講義と併行して、例題演習、Scilab演習行う。また、講義毎に出席調査を兼ねたクイズを行い理解の確認を行う。さらに、レポートも課す。
授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)
この授業は学習・教育目標(C-3-1)に掲げられている「有線や無線による通信の基礎理論や方法について理解している。」のために、有線や無線で伝送されている信号について、確率過程を用いた信号処理や音声処理だけでなく、MP3やJPEG/MPEGなどのマルチメディアデータの生成原理を理解し、有線や無線による通信を行う上で必要となるものの見方、および論理的思考を養うことを目標とする。
具体的には以下の項目を目標とする。
- (1) 確率過程を用いた信号処理を理解する。
- (2) 音声信号処理の基礎概念を理解する。
- (3) メディア信号処理を理解する。
- (4) メディア信号処理の問題を自主的に解決する。
- (2) 音声信号処理の基礎概念を理解する。
成績評価の基準および評価方法
上記に掲げる具体的な目標 のうち(4)については、演習課題に対するレポートの内容により評価する(30%)、達成目標(1)(2)(3)については,宿題による評価(10%)とともに期末試験により各目標の達成度を総合的に評価する(60%)。
キーワード
デジタルコンテンツ、雑音除去、ブラインド音源分離、MP3、MPEG、JPEG
教科書
配布資料
参考書
尾知、「シミュレーションで学ぶディジタル信号処理」CQ出版