回路とシステム (武藤 浩二)
科目名: 回路とシステム (01)
担当教員: 武藤 浩二 (ヒューマンライフIT開発センター)
対象分野科目 選択必修科目 2単位
2年 後期 月曜3限目 1305講義室
授業の概要
携帯電話やDVD、ディジタルオーディオなど現代のエレクトロニクス製品は、半導体メモリやLSIが多用されている。しかし、メモリやLSIなどのディジタルデバイスの構成要素は、実際はコンデンサや抵抗およびトランジスタなどのアナログ回路である。
本講義では、抵抗やコンデンサなど受動素子で構成される基本的なパッシブ回路および数百MHz以上の周波数で使われる分布定数回路などのアナログシステムについて、時間領域および周波数領域の解析方法について学び、回路設計の橋渡しとする。
授業では理論ばかりでなく、SPICEやMatlabを利用した回路シミュレーションの手法も学び、計算機支援によるLSI化設計解析の基礎的方法も学習する。
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
アナログ電気回路は、電子工学、通信工学、制御工学を学ぶ者にとって、最も重要な基礎理論の一つである。回路とシステムでは、実際に技術者として設計を行う際に役に立つように、実用性を意識して計算機を利用した電気回路の応答や周波数数特性の解析方法、信号のスペクトル解析手法および分布定数回路の解析方法について学習する。前もって習得が必要な科目は、線形代数、応用解析学、電気回路である。
授業項目 (授業計画)
- (1) 授業の目的、電源と回路素子、交流理論の復習
- (2) 微分方程式を用いた回路の表現‐インパルス応答と回路の応答
- (3) ラプラス変換による回路の応答解析
- (4) 節点解析と網目解析
- (5) SPICEによるアナログ回路の応答解析演習
- (6) 回路網関数と周波数解析
- (7) 中間試験
- (8) 中間試験解答、回路網関数
- (9) 分布定数回路の応答 I
- (10) 分布定数回路の応答 II
- (11) 信号の解析 I (フーリエ級数)
- (12) 信号の解析 II (フーリエ変換)
- (13) 離散時間信号とディジタルシステム
- (14) Matlabを用いた信号処理システムの応答解析と周波数スペクトル解析演習
- (15) 期末試験
- (2) 微分方程式を用いた回路の表現‐インパルス応答と回路の応答
授業の進め方
毎回のクイズを行い、理解の確認をする。また、計算機演習(SPICE・Matlab)及び章末問題の解答も適宜行い理解を深める。
授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)
電子情報工学科が掲げる学習・教育目標のうち、教育目標(C)に掲げられている「電子工学、情報工学、コンピュータネットワーク(情報通信)の知識や技術の基礎的な素養を深め,応用に関する専門性を獲得する」ために、アナログ回路の理論的な解析手法を学び、システム設計の基礎とする。
具体的には次の事項を達成目標とする。
(1)アナログパッシブ回路の時間領域解析および周波数特性解析の方法を理解する。
(2)簡単なフィルタ等の回路設計や構成ができるようにする。
(3)マイクロ波回路(分布定数回路)の基礎的な解析方法を理解する。
(4)SPICEやMatlabによる回路シミュレーションを通し、計算機支援による回路設計手法を理解する。
成績評価の基準および評価方法
予習および授業に対する質問回答20+宿題・演習20十中間30十期末30=100
キーワード
RLC回路、アナログ回路、マイクロ化回路、分布定数回路、フーリエ変換、周波数特性、フィルタ、過度現象
教科書
武部、「回路の応答」、コロナ社
参考書
備考
オフィスアワー;毎週木曜16-17時