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通信理論 (尾知 博)


科目名: 通信理論 (01) Communication Theory
担当教員: 尾知 博 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) ochi@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択必修科目 2単位
3年 後期 水曜3限目 2102講義室

授業の概要

本科目は,携帯電話や無線LAN、地上波ディジタル放送およびRF-ICタグなどのディジタル通信放送システムの設計に関して必要な諸技術について講義する。具体的には、ディジタルデータの帯域制限とディジタル変調および多重化技術について取り扱う。また、移動体通信で生じる周波数選択性フェージングに耐性のあるOFDM変調方式など最新の通信技術についても学習する。授業は、講義を中心にScilabによる計算機演習を取り入れながら進める。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

通信理論を学ぶためには、ディジタル信号処理を予め履修しておくことが望ましい。

授業項目 (授業計画)

(1)  ワイヤレス通信システムのケーススタディ

(2)  ディジタル信号処理の復習 (畳み込みとフーリエ変換)

(3) ディジタルデータの帯域制限I (ナイキスト基準)

(4) ディジタルデータの帯域制限II (ロールオフフィルタ)

(5) Scilab演習

(6) 線形ディジタル変調I (情報伝送速度と周波数利用効率、BPSK)

(7) 線形ディジタル変調II (BPSK・QPSK・QAM)

(8) 中間試験  

(9) OFDM変復調

(10) 周波数選択性フェージングとOFDM変復調

(11) 多重化技術(TDMA,FDMA,CDMA)

(12) Scilab演習

(13) 畳込み符号化

(14) ビタビ誤り訂正回路

(15) 期末試験

授業の進め方

毎回の授業でクイズを行い、理解の確認をする。また、宿題を毎週課して理解を深める。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

当学科の学習・教育目標のうち、教育目標(C)に掲げられている「電子工学、情報工学、コンピュータネットワーク(情報通信)の知識や技術の基礎的な素養を深め,応用に関する専門性を獲得する」ために、有線・無線による通信方式の基礎理論や方法を理解する能力を養うことを目標とする。
具体的には以下の項目を達成目標とする。
(1) ディジタルデータの帯域制限方法や変調方法、多重化技術および誤り訂正技術を理解する。
(2) フェージング対策技術(等化、OFDM変調)を理解し、今後利用が増大する移動体通信方式の基礎を理解する。
(3) 計算機シミュレーションを通して基礎理論をシステム設計に応用できるようにする。


さらに、Matlabによる計算機演習を実施することにより、目標F「問題に対して自主的に解決できる方法を探り解決したり、さらに問題を発見する能力を養う」を達成する。

成績評価の基準および評価方法

クイズ+宿題(計算機演習)20%+中間試験40%+期末試験40%=100点満点

キーワード

ディジタル変調、OFDM、誤り訂正、携帯電話、ADSL、無線LAN,地上デジタル放送

教科書

コピーを配布。

参考書

備考

オフィスアワー;毎週木曜 16から17時