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電磁気学 I ・同演習 (松下 照男)


科目名: 電磁気学 I ・同演習 (01) Electromagnetism I and Its Exercise
担当教員: 松下 照男 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) matusita@cse.kyutech.ac.jp
自然科学科目 必修科目 2単位
2年 前期 月曜4限目 水曜1限目 1201講義室

授業の概要

電気磁気現象は電子デバイス、情報通信、コンピュータなど、電子情報工学のあらゆる分野における基礎的現象であり、その理解は必要不可欠である。本科目はこの基本的原理を理解させるためのものであり、とくにここでは電磁気学の数学的な記述に必要なベクトル解析について講義する。その後静電界の基本的性質について学び、導体と誘電体の特性について知識を得る。また定常電流が流れる場合の金属に関するオームの法則や電流により生じる磁界について学び、電磁気学の基礎についてマスターする。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

電磁気学Iは力学や熱力学と並んで物理学の根幹をなす基礎科目であり、これとこれに続く電磁気学IIを修学することによって、波動工学、電子物理、半導体工学などの専門的な科目の履修が可能となる。

授業項目 (授業計画)

(1) (A.1) ベクトル解析(スカラー積、ベクトル積、微分)

(2) (A.2) ベクトル解析(勾配、発散、回転)

(3) (A.3) ベクトル解析(線積分、面積分)

(4) (A.4) ベクトル解析(ガウスの定理、ストークスの定理)

(5) (1.1) 真空中の静電界、クーロンの法則、ガウスの法則

(6) (1.2) 電位、電気力線と等電位面

(7) (1.3) 電気双極子

(8) (2.1) 導体の電気的性質

(9) (2.2) 静電界の特殊解法、鏡像法

(10) (2.3) 静電誘導

(11) (3.1) 導体系、電位係数と容量係数

(12) (3.2) コンデンサ

(13) (3.3) 静電エネルギー、静電力

(14) (4.1) 誘電体、電気分極、分極電荷

(15) (4.2) 電束密度、境界条件

(16) (4.3) 誘電体の静電エネルギー

(17) (5.1) 定常電流、オームの法則

(18) (5.2) 電気抵抗の基礎方程式

(19) (5.3) 起電力、キルヒホッフの法則

(20) (6.1) 電流による磁束密度、ビオ・サバールの法則

(21) (6.2) 電流に働く力、ローレンツ力

(22) (6.3) アンペールの法則、ベクトルポテンシャル

(23) (6.4) 磁気双極子、磁荷

各コマで以上の授業を行うが、演習やレポート問題の解答のため、授業計画が多少遅れることがある。

授業の進め方

この講義は、松下・小田部の両教員で行われるが、小田部担当のクラスは再履修クラスとする。講義は基本的に教科書に従って行うが、理解を助けるためにパワーポイント教材を用いる。上記の項目を講義した後には例題を解き、演習を行う。例題は内容の理解を助ける目的であり、演習は理解の達成度を評価するために行う。さらに、教科書を予習してもらうことと復習の目的のために、各章ごとに簡単なレポート問題を課す。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

この講義は電子情報工学科の目標(C)にあげられている「電子工学、情報工学、コンピュータネットワーク(情報通信)の知識や技術の基礎的な素養を深め、応用に関する専門性を獲得する。」ことを目的としている。電磁気学Iでは、具体的 には主に以下の項目を目標とする。

(1) ベクトル解析を用いて微分・積分を行い、ベクトルやスカラ ー量を計算できる力をつける。

(2) クーロンの法則やガウスの法則を理解し、これらの法則を用 いて電界を求め、さらに電位を求める。

(3) 電位と電気量の関係から静電容量を求め、これと静電エネルギーの関係を理解する。

(4) オームの法則を理解し、いろいろな形状の物体の電気抵抗を求める。

(5) ビオ・サバールの法則やアンペールの法則を理解し、これらの法則を用いて磁束密度を求め、さらにベクトルポテンシャルを求める。

成績評価の基準および評価方法

上記の達成目標のうち、(1)についてはレポート問題の解答により評価する。それ以外の達成目標については演習、レポート問題と中間・期末試験の成績により総合的に評価する。評価の内訳は演習とレポートが20%、中間・期末試験が80%である。

キーワード

電磁気学、ベクトル解析、クーロンの法則、ガウスの法則、導体および誘電体の電気的性質、電界、磁束密度、ビオ・サバールの法則、アンペールの法則

教科書

松下照男: 新電磁気学(コロナ社)

参考書

太田昭男: 新しい電磁気学(培風館)

備考

講義に使用するパワーポイント教材は、事前に各自で以下にアクセスし、必要な部分をプリントアウトしておくこと。教材のファイルは電子情報工学科/電磁気学I・同演習/Teruo Matsushitaのところにあります。
 http://el-i.isc.kyutech.ac.jp/moodle