磁性体工学 (大越 正敏)
科目名: 磁性体工学 (01) Magnetism – Physics and Engineering
担当教員: 大越 正敏 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) okoshi@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択科目 2単位
3年 後期 金曜2限目 1203講義室
授業の概要
本講義では多くの物質に共通する常磁性、強磁性や反磁性の基礎から出発する。次に磁気の測定原理や磁気共鳴、磁気と光、超伝導との関連性について応用への基礎として講義計画諸項目を理解させるため、演習も含めて講義を行う。
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
情報処理のなかで記録、記憶等に重要な役割を果たす磁気現象について基礎概念を体系的に学ぶ。物質の磁気的性質は古くて新しい研究対象であり、その基礎となる学問分野は急速に進展をしている。本講義は特に基礎に重点をおき、原子磁石から磁区を含めた自発磁化と技術磁化が一通り筋が通って理解出来るように配慮する。電磁気学の予備知識と、固体物理、量子力学の入門程度の基礎知識が望ましい。
授業項目 (授業計画)
- (1) 静磁気現象 (磁界と磁化)、磁気測定
- (2) 原子の磁気モーメント、結晶場、交換相互作用、分子磁界
- (3) 結晶構造と磁気物性、種々の磁性、中性子回折、磁気光学効果
- (4) 常磁性共鳴、強磁性共鳴、核磁気共鳴、演習
- (5) 磁気工学の応用、演習
- (2) 原子の磁気モーメント、結晶場、交換相互作用、分子磁界
授業の進め方
上記の項目に関する講義のほかに適宜トピックスも含めた例題を出し、演習・宿題として与え、小テストを行う。
授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)
当学科が掲げる「学習・教育目標」
(B) 自然科学に対する理解を深め,情報科学,数学,物理学等の基礎学力を育成する
(C) 電子工学の知識や技術の基礎的な素養を深め、応用に関する専門性を獲得する。
を達成するため、具体的には、以下の項目をこの授業の達成目標とする。
磁気現象について基礎概念を体系的に学ぶ。
原子磁石から磁区を含めた自発磁化と技術磁化を理解する。
磁気の測定原理や磁気共鳴、磁気と光、超伝導との関連性について応用への基礎を理解する.
成績評価の基準および評価方法
期末試験80%,リポートの成績20%により評価する。再試験は行わない。
キーワード
磁界、磁化、磁気モーメント、反磁界、磁気測定、反磁性、常磁性、強磁性、
交換相互作用、結晶構造、電流磁気効果、磁気光学効果、メモリ
教科書
太田恵造: 磁気工学の基礎I, II (共立出版)
参考書
- 近角聡信: 強磁性体の物理 (裳華房)