半導体工学 (大西 克典)
科目名: 半導体工学 (01) Semiconductor Electronics
担当教員: 大西 克典 (マイクロ化総合技術センター) onishi@cms.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択必修科目 2単位
3年 前期 水曜4限目 2102講義室
授業の概要
半導体デバイスは、現代のエレクトロニクス産業に欠かせない技術となっている。本授業では、半導体の物理的特性を理解することから始まり、その材料からどのように接合、トランジスタ、光デバイスなどのデバイスが形成されているかを学ぶ。また更に進んで、それらのデバイスが集積回路などの電子製品にどのように利用されているかを理解する。
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
トランジスタやレーザーに代表されるように、半導体は情報処理や通信システムを構築する上で主要な役割を担っている。電子情報技術者を目指す学生にとって、半導体工学を理解しておくことは意義が大きい(電子情報工学科の教育目標のうち特に(C))。工学の最終目標は設計にある。本講義では、半導体を利用し回路を設計する立場から、またデバイスそのものを設計する立場から、集積回路(LSI)等の構成要素である半導体デバイスの基本的な考え方を理解する。講義は2年生までの必修科目の履修を前提に進める。ここで学ぶ事項は、同期に開講される「電子デバイス」や「電子回路IIE」の理解をさらに深めるとともに、「集積回路設計」(3年後期)、「LSI回路」(同)、「光エレクトロニクス」(同)の基礎となる。
授業項目 (授業計画)
- (1) 社会生活と半導体との関わり
- (2) 半導体の性質のエネルギー帯による理解
- (3) 半導体中のキャリヤと不純物導入
- (4) キャリヤの動きと電流
- (5) pn接合とダイオード
- (6) 金属/半導体接触の性質
- (7) バイポーラトランジスタ
- (8) 中間試験
- (9) 電界効果トランジスタの考え方
- (10) MOS型電界効果トランジスタ
- (11) 集積回路とトランジスタ
- (12) 光デバイス
- (13) 半導体製造技術
- (14) 安全と環境への配慮
- (15) 期末試験
- (2) 半導体の性質のエネルギー帯による理解
授業の進め方
講義は通常の講義形式で進み、小テストで理解を確認する。講義の間に適宜質疑のための時間を設ける。質問は歓迎します。
授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)
この授業は、電子情報工学科の学習・教育目標(C)に掲げられている「電子工学の知識や技術の基礎的な素養を深め、応用に関する専門性を獲得する」の観点から、信号(情報)処理システムにおいて重要な役割を担っている半導体デバイスの原理と動作を理解させることを目標とする。
具体的には、以下の3点を目標とする。
- (1) 半導体の電気的性質の制御法の原理と方法を理解する。
- (2) トランジスタの動作原理を理解する。
- (3) 半導体デバイスの集積回路や光デバイスへの応用方法を理解する。
- (2) トランジスタの動作原理を理解する。
成績評価の基準および評価方法
上記(1)(2)(3)の具体的目標に関し、講義内で行う小テスト(比重20%)、中間試験(30%)、および期末試験(50%)で評価する。
キーワード
半導体、トランジスタ、集積回路、LSI、電子システム
教科書
筒井一生:「よくわかる電子デバイス」(オーム社)
参考書
國岡昭夫、上村喜一:「基礎半導体工学」(朝倉書店)
ストリートマン(菊池誠監訳):「半導体の基礎/接合型半導体/半導体応用デバイス」(東海大学出版界)
松村正清:「集積回路工学」(朝倉書店)
古川静二郎、浅野種正:「超微細加工入門」(オーム社)