電子物理 (古川 昌司)
科目名: 電子物理 (01) Quantum Physics
担当教員: 古川 昌司 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) furukawa@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択必修科目 2単位
3年 前期 金曜2限目 1204講義室
授業の概要
ミクロな世界での現象を解析するには量子力学が必要である。本科目においては、前期量子論から量子力学までを講義し、さらに、固体を形成するための化学結合論について講義する。実際に使用されている電子デバイス用材料は結晶である場合が多く、種々の結晶構造についても講義する。
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
本科目は、3年の前期に開講される授業科目であり、「基礎物理学」及び「現代物理学」などを受講していることが前提となる。本科目は、ハードウェア関係の多くの専門科目の基礎となり、極めて重要な科目である。
授業項目 (授業計画)
- (1) 序論
- (2) 原子の構造
- (3) 量子力学の復習
- (4) 化学結合
- (5) 結晶の構造(塩化ナトリウム、金、結晶シリコン、等)
- (6) 金属の自由電子モデル
- (7) 直流電気伝導度
- (8) ホール効果
- (9) プラズマ振動
- (10) 熱伝導度
- (11) フェルミ統計とボーズ統計
- (12) 状態密度
- (13) 半導体の電気的特性
- (14) 半導体の光学的特性
- (15) 各種電子デバイス
- (2) 原子の構造
授業の進め方
講義を中心に授業を進める。授業時間に余裕がある場合は中間試験を行う。学生諸君は、毎回、予習と復習を行って欲しい。
授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)
ミクロな物体がどの様な法則に支配されて運動するかを理解する。内容を大局的に把握すると同時に、具体的に微分方程式を解ける力を身に付ける。結晶構造については、実際に使用されている電子デバイス用材料の結晶構造がイメージ出来る様にする。具体的には、次の事項を達成目標とする。
- (1) 化学結合について十分に理解する。
- (2) 結晶の構造について十分に理解する。
- (3) 金属の自由電子モデルについて十分に理解する。
- (4) 量子統計について十分に理解する。
- (2) 結晶の構造について十分に理解する。
成績評価の基準および評価方法
達成目標に掲げた目標の達成度について、期末試験100%で評価する。ただし、必要に応じて小テストを行う。小テストを実施する場合は、小テストと期末試験の合計を100%とする。「授業の達成目標」については、期末試験等により総合的に評価する。また、授業を欠席・遅刻した場合は減点する。授業中の態度等については加点・減点の対象とする。
キーワード
量子力学、二重性、シュレーディンガー方程式、化学結合、結晶構造、自由電子モデル、量子統計、半導体、電子デバイス
教科書
鈴木芳文、古川昌司、太田成俊、田中洋介、近浦吉則 著、「原子物理学」、東京教学社
(ただし、入手出来ない場合等については、適宜、授業担当教員がアドバイスする。)
参考書
犬石嘉雄、浜川圭弘、白藤純嗣 著、「半導体物性I」、朝倉書店