電気回路E (小西 直樹)
科目名: 電気回路E (01) Electrical Circuits E
担当教員: 小西 直樹 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) konishi@cse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 必修科目 2単位
2年 前期 木曜3限目 2101講義室
授業の概要
この講義は、集中定数回路における正弦波交流回路の定常解を、電圧・電流のフェーザー表示を用いることにより、記号的計算により求める解析法(交流理論)を講義する。線形システムの解析の基本である正弦波入力に対する定常状態での出力の振る舞いの求め方と表現法とを学生が身に付けることを目的とする。
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
電気回路は、電子工学、通信工学、制御工学などを学ぶ者にとって、最も重要な基礎科目の一つである。電気回路IEで学ぶ線形回路に関する理論は、2年後期の「回路とシステム」、3年前期の「通信理論」、「信号処理論」、3年後期の「電子回路IE」等の多くの電気系の科目で利用される。
授業項目 (授業計画)
- (1) 概要説明、及び高校物理における電気回路の復習テスト
- (2) 回路素子 電流・電圧・エネルギー
- (3) 直流回路 オームの法則・電圧源・電流源・電力・電力量
- (4) 回路網方程式 キルヒホッフの法則・回路法的式の立て方と解法
- (5) 回路と定理 ブリッジ回路・重ね合わせの理・テブナンの定理・Y?Δ変換
- (6) 正弦波交流回路 回路方程式・正弦波電流と電圧・電力と力率
- (7) 周期変量の大きさ 平均値・実効値
- (8) フェザー表示 正弦波関数とフェーザ表示・複素数・フェーザ表示と微分積分
- (9) インピーダンスとアドミッタンス 複素インピーダンス・複素アドミッタンス・直列と並列接続
- (10) 交流回路の解法と共振回路 電圧電流の計算・フェーザ図・リアクタンス特性・周波数特性・フィルター
- (11) 交流回路の電力 複素電力・最大電力問題
- (12) 相互誘導と変成器 相互インダクタンス・相互誘導の等価回路・理想変成器
- (13) 回路理論における重要定理 相反定理・ノートンの定理・ミルマンの定理
- (14) グラフ理論と回路方程式 回路のグラフによる表現・回路網方程式
- (15) 2端子対回路網 Zパラメータ・Yパラメータ・Fパラメータ・2端子対回路網の接続・インピーダンス変換
- (2) 回路素子 電流・電圧・エネルギー
授業の進め方
教科書に沿って講義するので、学生には先ず教科書の精読を薦める。電気回路の理解を確実にするためには演習問題を解くことが大切であるので、教科書はもとより参考書の演習問題も自分で解く事。レポート提出を課する。中間試験を1回行う。
授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)
この講義は、電子情報工学科の目標(C-1-1) の「電子回路の基礎を理解し、集積回路への応用を理解している」を達成するために、工学の広い分野で有用である線形システムの定常解の表現法の基礎となる交流解析を、学生が演習を通して身に付けることを目標とする。
具体的には以下の項目を目標とする。
- (1) 電気回路の基礎的な用語と法則を理解させる。
- (2) 交流回路の解析に必要な知識を理解させる。
- (3) 様々な回路における諸定理について理解させる。
- (2) 交流回路の解析に必要な知識を理解させる。
成績評価の基準および評価方法
上記に掲げる具体的な達成目標のうち、1.については小テスト及び課題レポートにより評価する(10%)。達成目標2.3.については、中間テスト(40%)及び期末テスト(50%)により、各達成度を総合的に評価する。
必要に応じて再試験を行い、最大60点で評価を行う。
キーワード
集中定数回路、正弦波交流回路、フェーザー表示、複素電力、インピーダンスとアドミタンス、回路方程式、共振回路、フィルター
教科書
伊佐弘 他: 基礎電気回路 (森北出版)
参考書
案居院猛 他:エッシェンシャル電気回路(工学のための基礎演習)(森北出版)