オペレーティングシステムE (川原 憲治)
科目名: オペレーティングシステムE (01) Operating Systems E
担当教員: 川原 憲治 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) kawahara@cse.kyutech.ac.jp
情報科目 選択必修科目 2単位
3年 前期 木曜3限目 1301講義室
授業の概要
コンピュータシステムにおいてオペレーティングシステム(OS)は、各種の資源(ハードウェア)を効率的に利用し、かつ多数のユーザで共有するためのソフトウェア体系と位置付けられる。本講義では、まず、その全体像、目的、役割を概説し、CPU・主記憶・補助記憶・入出力機器等の管理について講義する。また、CPUスケジューリングの性能解析手法や並行処理に伴うプロセス間通信についての演習を通して、計算機システムを有効に活用する方法について説明する。
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
コンピュータシステムにおけるハードウェア構成の講義である「計算機システムI」「計算機システムII」や、ソフトウェアの基礎講義・演習である「プログラミング」「データ構造とアルゴリズム」をベースとしているので、これらの科目の履修を前提とする。
授業項目 (授業計画)
- (1) オペレーティングシステムの基礎概念
- (2) ユーザからみたオペレーティングシステム
- (3) 入出力管理
- (4) ファイル管理
- (5) プロセス管理
- (6) CPUスケジューリングとスループットの性能評価
- (7) 主記憶管理
- (8) 仮想記憶管理
- (9) プロセス間通信
- (10) ユーザ管理、セキュリティ
- (2) ユーザからみたオペレーティングシステム
授業の進め方
基本的に講義を中心に進め、講義終了時に小テストを実施する。なお、プロセス間通信に関してはプログラミング演習を課す。
授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)
電子情報工学科の目標(C-2-1)「ハードウェアとソフトウェアの関係から動作原理を理解」するため、ハードウェアと(ユーザ)ソフトウェアの仲介をするOSの役割と現状の理解を目標とする。具体的な達成目標は以下の通りである。
- (1) コンピュータを有効活用するためのOSの役割を理解する。
- (2) 主記憶・補助記憶の管理方法を理解する。
- (3) CPUの有効利用とスケジューリングの関係について、演習を通して理解する。
- (4) UNIXシステムにおけるプロセスとプロセス間通信について、演習を通して理解する。
- (2) 主記憶・補助記憶の管理方法を理解する。
成績評価の基準および評価方法
達成目標の(1)から(3)の習熟度をみるために定期(期末)試験の受験を義務付け、1から2週に1度の小テストを課す。達成目標の(3)と(4)の理解度を確認するために数回のレポート提出を実施する。以上より、小テスト+レポート:30%、定期試験:70%の比重で評価する。
キーワード
入出力、ファイル、主記憶、仮想記憶、CPUとプロセス、プロセス間通信
教科書
清水 謙多郎: オペレーティングシステム(岩波書店)
参考書
A.N.ハーバーマン著:オペレーティングシステムの基礎(培風館)
A.S.タネンバウム著:OSの基礎と応用(トッパン)