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論理システム設計 (笹尾 勤)


科目名: 論理システム設計 (01) Logic System Design
担当教員: 笹尾 勤 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) sasao@cse.kyutech.ac.jp
情報科目 選択必修科目 2単位
2年 後期 火曜3限目 1104講義室

授業の概要

本授業では、パソコン等に利用されているマイクロプロセッサを主に扱い、その高速化技術について講義する。
具体的には、プロセッサの構成、制御、メモリ、入出力、命令セットアーキテクチャなどノイマン型計算機の基本構成や動作原理を講義する。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

電子情報工学科の学習・教育目標(C-2-1)に掲げられている
「ハードウエアとソフトウエアの関係から動作原理を理解している,」のうちの、計算機の構成を理解することを目標とする.
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
1年前期の「計算機システムI」、1年後期の「計算機システムII」の授業で教育される計算機の基本概念に関する知識、
2年前期の「論理回路」の授業で教育されるハードウエアの基本に関する知識を踏まえ、
プロセッサ内部に密接なアーキテクチャに関する教育を行う。この授業は、3年前期の「オペレーティングシステムE」に続く。

授業項目 (授業計画)

(1) コンピュータアーキテクチャ入門(1)
 ディジタル表現、負の数、実数、加算器、ALU,フリップフロップ、レジスタ、計算のサイクル

(2) コンピュータアーキテクチャ入門(2)
 演算回路:加算器、乗算器、比較器、デコーダ、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、
 

(3) 中間試験(1)

(4) データの流れと制御の流れ
主記憶装置、メモリの構成と分類、レジスタファイル、

(5) 命令、命令実行の仕組み、実行サイクル、 算術論理演算命令、シーケンサ、条件分岐命令

(6) 命令セットアーキテクチャ
操作とオペランド、命令の表現形式、アセンブリ言語、命令セット、
算術論理演算命令、データ移動命令、分岐命令、アドレシング、サブルーチン、RISCとCISC

(7) パイプライン処理(1)
パイプラインの原理、命令パイプライン、オーバヘッド、構造ハザード、データハザード、制御ハザード

(8) パイプライン処理(2)
フォワーディング、遅延分岐、分岐予測、命令スケジューリング

(9) キャッシュ
記憶階層と局所性、透過性、キャッシュ、ライトスルーとライトバック、
ダイレクトマップ型、フルアソシアティブ型、セットアソシアティブ型、キャッシュミス

(10) 中間試験(2)

(11) 仮想記憶
仮想記憶、ページフォールト、TLB、物理アドレスキャッシュ、仮想アドレスキャッシュ、メモリアクセス機構

(12) 命令レベル並列処理
並列処理、並列処理パイプライン、VLIW、スーパスカラ、並列処理とハザード

(13) 入出力と周辺装置
周辺装置、ディスプレイ、二次記憶装置、ハードウェアインタフェース、

(14) 割り込みとポーリング、アービタ、DMA、例外処理

(15) 期末試験

授業の進め方

時間内では、上記のスケジュールに沿った講義を行う。また、演習を行う時間的余裕は無いため、適宜、演習問題を与え、自宅にて学習する。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

この授業は、電子情報工学科の学習・教育目標(B-1)
「計算機のハードウエアを構成する要素を理解し,論理回路の設計から計算機の構成までができる基礎を理解している」
および、学習・教育目標(E-1)に掲げられている「計算機の動作原理を理解する」を達成するために、
学生に計算機アーキテクチャ、特にプロセッサアーキテクチャの基礎を理解させることを目標とする。
具体的には以下の項目を目標とする。

(1)  計算機アーキテクチャに関する基本的な用語を理解させる。

(2)  プロセッサ性能の評価方法を理解させる。

(3) プロセッサ性能の改善方法を理解させる。

成績評価の基準および評価方法

中間試験(50点満点) と期末試験 (50点満点) を合計した得点により成績評価を行う。

キーワード

マイクロプロセッサ、パイプライン、キャッシュ、演算回路

教科書

  • 坂井修一:コンピュータアーキテクチャ(コロナ社)

参考書

  • 内田 啓一郎:コンピュータアーキテクチャ (オーム社)

備考