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総合科目 I (熊丸 耕介)


科目名: 総合科目 I (01) 
担当教員: 熊丸 耕介 (情報工学部事務) kumamaru@jimu.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択科目 2単位
3年 前期 集中講義等

授業の概要

まず技術者倫理の概念と基礎知識を学習し、次いで巨大事故の事例をビデオや関連資料を通して学ぶことにより、技術者の責任を自覚させる。また、事例研究を通じて、実社会における問題事例を擬似体験することにより、問題解決の手法の習得と問題解決能力の向上を図る。これらと並行して、本学の先輩の方々による企業における体験談を交えて、学生諸君が将来技術者として直面するであろう様々な技術者倫理に関する問題への対処法や心構えについて学習する。

カリキュラムにおけるこの授業の位置付け

この授業は、3年次と4年次の学生を対象とする科目であり、産業の現場において活躍してこられた本学の先輩の方々を講師として招き、情報工学部を卒業して技術者として社会に出ようとする学生のために、職業人としての技術者のあり方(すなわち技術者倫理)についての教育を行う。

授業項目 (授業計画)

(1) 技術者倫理の基礎知識:技術者倫理とは

  • 技術者倫理の必要性
  • 技術者倫理に関する最近の動向
  • 国際資格と倫理規定
(2) 最近の巨大事故の事例と技術者倫理

(3) 専門職業としての技術者の責任

(4) 専門職モラルに対する障害

(5) 安全性と「受け入れ可能なリスク」

(6) 内部告発の倫理性

(7) 製造者責任法(PL法)

(8) 事例研究:チャレンジャー号事故

(9) 予防倫理(倫理的問題の解決手法)

  • 線引き法と創造的第三の解決法
  • 功利主義(utilitarianism)テスト
  • 費用対効果分析テスト/リスク便益分析テスト等
(10) 企業における技術者倫理

  • 企業における倫理規定
  • 従業員としての技術者(技術者のジレンマ)
  • 企業におけるコンプライアンス
(11) 設計における倫理

  • 安全性とコスト等
(12) 環境倫理と技術者の責務

(13) 事例研究演習 — グループ別討論と成果発表

授業の進め方

上記の講義項目について、PowerPoint や配布資料を用いた講義を行い、講義の最後に質疑応答の時間を設ける。講義の進行にあわせて、随時、テーマに関係のある事例研究を行う。

事例研究は、講師の企業における実体験談などを交えて、グループ討論、成果発表、レポート提出などにより行う。

授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)

この科目は、技術者倫理の基本的な考え方と事例研究に関する講義をとおして、学生に「技術者としてのあり方」を正しく理解させることを目的とする。

成績評価の基準および評価方法

授業を担当する講師の方々(本学の先輩)により、グループ討論やレポートの課題が課せられ、それらの成績を総合して評価とする。

キーワード

技術者倫理、企業と社会、社会環境、商品開発、組織への責任、技術者の資質、資格取得

教科書

参考書

  • 飯野弘之:新・技術者になるということ:雄松堂出版
  • C.E.Harris,Jr. 他:科学技術者の倫理—その考え方と事例—:丸善
  • P.A.Vesilind 他:環境と科学技術者の倫理:丸善
  • NSPE倫理審査委員会:科学技術者倫理の事例と考察:丸善
  • 藤本温:技術者倫理の世界:森北出版
  • C.Whitebeck:技術倫理:みすず書房
  • チャールズハリス他:科学技術者の倫理:丸善

備考

この科目は、知能情報工学科のJABEE対応教育プログラムにおいては「必修科目」に設定されています。