現代物理学 I (大越 正敏)
科目名: 現代物理学 I (02) Modern Physics I
担当教員: 大越 正敏 (大学院情報工学研究院電子情報工学研究系) okoshi@cse.kyutech.ac.jp
自然科学科目 選択必修科目 2単位
2年 前期 月曜3限目 1203講義室
授業の概要
物性物理学は勿論、今や電子工学そのものとも言える。創造的な科学技術は基本的な知識をしっかりと把握する事から始まる。この講義ではこれらの導入部分、即ち20世紀初頭から始まった現代物理学の基礎となる量子論、例えば「波動の粒子性」「粒子の波動性」「不確定性原理」「原子構造」「波動関数」「シュレディンガー方程式」「井戸型ポテンシャル」「光と電子」等の初歩をこれまでに習った古典物理学と対比しながら学ぶ。とくに量子論の基本的な考え方を身に付け、これまでの高校教育で多く見られる“暗記的”或は“公式的”な学習からの脱却をはかる。また演習問題をなるべく多く解く。
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
本講義は、基礎物理学I、基礎物理学II、電磁気学・同演習、現代物理学I、現
代物理学II、の一連の講義の中に位置づけられる。これらの一連の講義を通し
自然界を支配している基本的な法則とそれを理解するための物理学的な考え方
を理解することを目指す。本講義は基礎物理学I、基礎物理学IIを履修しているこ
とを前提とする。
授業項目 (授業計画)
- (1) 特殊相対論
- (2) 質量とエネルギー
- (3) 波動の粒子性
- (4) 光電効果とコンプトン効果
- (5) 粒子の波動性
- (6) 波動関数と不確定性原理
- (7) 原子模型とボーアの量子論
- (8) シュレディンガー方程式
- (9) 固有値と期待値
- (10) 水素原子の量子論
- (11) 原子構造と周期律
- (2) 質量とエネルギー
授業の進め方
上に掲げた各項目の講義のあとに練習問題、また上記項目を半分終えた時点で
中間テストを行う。
授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)
この科目の教育目標は、数学、自然科学および情報技術に関する知識とそれらを応用できる能力の育成である。情報科学や新しい先端技術などの基礎研究や開発に必要となる、現代物理学的な概念を習得する。
具体的には、量子論をこれまでに習った古典物理学と対比しながら理解する。「学習・教育目標」(B)自然科学に対する理解を深め、情報科学、数学、物理学などの基礎学力を育成する。
成績評価の基準および評価方法
中間テストと期末テストを主に、通常の練習問題の回答状況も加味して評価する。
キーワード
相対性理論、粒子性と波動性、物質波, 波動方程式、波動関数、不確定性原理, 固有値、期待値, 原子構造, 井戸型ポテンシャル
教科書
A. バイザー著: 現代物理学の基礎(三訂版) (好学社)
参考書
小出昭一朗著: 量子論I(改訂版) (裳華房)
小出昭一朗著: 量子論II(改訂版)(裳華房)
小出昭一朗・水野幸夫共著: 量子力学演習(裳華房化学I)