応用数学 (瀬部 昇)
科目名: 応用数学 (01) Applied Mathematics
担当教員: 瀬部 昇 (大学院情報工学研究院知能情報工学研究系) sebe@ai.kyutech.ac.jp
自然科学科目 必修科目 2単位
2年 前期 金曜2限目 2101講義室
授業の概要
前半では数学的教養としての複素関数論の基礎を講義し、後半では工学的に重要なフーリエ解析の基礎を講義する。
複素関数論については、微分可能性の実数関数と複素関数との決定的な違いや、それに起因する数々の有用な性質(コーシーの積分定理、積分表示、留数定理など)、さらに工学的に重要な実定積分への応用について講義する。また、フーリエ解析については、周波数解析の意味、三角関数の直交性などの基礎事項について講義する。
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
「線形代数 I」、「線形代数 II」、「解析 I」、「解析 II」の履修を前提とした講義を行う。
この科目は、1年で教えられる「解析 I」、「解析 II」の続きとして、複素関数論を教える科目である。また、工学的に重要なフーリエ解析を教育し、上級学年で教えられる工学系諸科目、特に周波数を扱う「音声工学」などの数学的基礎を与える科目である。
授業項目 (授業計画)
- (1) 複素数と複素関数
- (2) 複素関数の正則性
- (3) べき級数と収束半径
- (4) 複素数の初等関数
- (5) コーシーの積分定理
- (6) 特異点と留数定理
- (7) コーシーの積分表示定理
- (8) 正則関数のテイラー級数展開
- (9) ローラン級数展開
- (10) フーリエ級数展開
- (11) フーリエ級数展開の収束とギブス現象
- (12) フーリエ変換とその応用
- (13) ラプラス変換
- (14) ラプラス変換の応用
- (15) 期末試験
- (2) 複素関数の正則性
授業の進め方
上記の講義以外に,必要に応じて演習または小テストを実施する。
授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)
このカリキュラムは、電子情報工学科の学習・教育目標 (B) に掲げられている「自然科学に対する理解を深め、情報科学、数学、物理学等の基礎学力を育成する」ために、解析学の基礎を理解することを目標とする. 特に講義の前半では複素解析の基礎を、講義の後半では、工学的に非常に重要なフーリエ解析の基礎を理解することを目標とする。具体的には以下の5項目を目標とする.
- (1) 複素数の概念や四則演算などの基礎事項を理解する.
- (2) 複素関数の基礎となる, べき級数とその収束半径について理解する.
- (3) 複素関数の微分可能性について理解する.
- (4) コーシーの積分定理, 留数定理などを理解し, 実定積分への応用ができるようにする.
- (5) フーリエ解析の基礎概念を理解する.
- (2) 複素関数の基礎となる, べき級数とその収束半径について理解する.
成績評価の基準および評価方法
上記に掲げた達成目標の一部または全部について、小テストまたは演習(20%)、および期末試験の成績(80%)で評価する。また、必要に応じて再試験を実施する。
キーワード
複素数, 複素関数, 正則性, コーシーの積分定理, 留数, コーシーの積分表示, ローラン展開, フーリエ解析, ギブス現象, ラプラス変換
教科書
参考書
- 洲之内、猪股: 改訂関数論 (サイエンス社)
- 小野寺嘉孝: なっとくする複素関数論 (講談社)
- 志賀浩二: 複素数 30 講 (朝倉書店)
- 小暮陽三: なっとくするフーリエ変換 (講談社)
- 井町, 内田: フーリエ解析 (裳華房)
- 洲之内源一郎: フーリエ解析とその応用 (サイエンス社)
- フーリエの冒険(ヒッポファミリークラブ)